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坂本 宜照; 井手 俊介; 吉田 麻衣子; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 竹永 秀信; 鎌田 裕
Plasma Physics and Controlled Fusion, 48(5A), p.A63 - A70, 2006/05
被引用回数:34 パーセンタイル:73.45(Physics, Fluids & Plasmas)トロイダル回転やその勾配は、プラズマの輸送や安定性に大きな影響を与える要素の一つである。現在のトカマク装置では中性粒子ビームにより大きなトロイダル回転速度を発生/制御することができるが、核融合炉では運動量入力が小さいためそれらは困難である。そこでJT-60Uのさまざまな閉じ込め運転モードプラズマにおいて、電子サイクロトロン(EC)波入射によるトロイダル回転速度分布の応答を調べた。内部輸送障壁を持つ正磁気シアプラズマでは、トロイダル回転速度がCTR方向に変化し内部輸送障壁が劣化する。一方で負磁気シアプラズマでは大きな変化はない。また低加熱パワー入力のLモードプラズマでは、CO方向に変化した。プラズマの分布の差異によるEC入射に対するトロイダル回転速度分布の応答について報告する。
Dnestrovskij, Y. N.*; Lysenko, S. E.*; Tarasyan, N. T.*; Polevoi, A. R.*; 滝塚 知典; 白井 浩; 菊池 満
Nuclear Fusion, 39(11Y), p.2089 - 2093, 1999/00
被引用回数:4 パーセンタイル:16.61(Physics, Fluids & Plasmas)カノニカル分布輸送モデル(CPTモデル)及び半経験輸送モデル(SETモデル)の検証を1.5次元輸送コードASTRA並びにJT-60Uプラズマの実験データを用いて行った。CPTモデルは、ある条件の元での熱流束値の分岐及びそれに伴う内部輸送障壁の形成を予測した。SETモデルは、広範囲なプラズマパラメータ領域において、JT-60Uの正磁気シア配位のLモード及びHモードプラズマの密度分布及び温度分布を良く再現した。しかしながら、SETモデルは負磁気シア配位における内部輸送障壁での急峻な密度・温度勾配を再現することはできなかった。
日渡 良爾*; 小川 雄一*; 天野 恒雄*; 滝塚 知典; 白井 浩; 山本 孝志*; 井上 信幸*
Journal of the Physical Society of Japan, 67(1), p.147 - 157, 1998/01
被引用回数:1 パーセンタイル:15.75(Physics, Multidisciplinary)JT-60U中のLモードプラズマの規格化旋回半径依存性JT-60Uの閉じ込め特性を調べるために、輸送シミュレーションを行った。ボーム型輸送モデル、電流拡散バルーニングモード(CDBM)モデル及び多重モードモデルと実験との比較を行った。電子温度分布については、どのモデルも実験データと良く一致した。依存性実験のシミュレーションでは、CDBMモデルと多重モードモデルはジャイロボーム型特性を示す。ボーム型モデルでは、拡散係数が温度勾配特性長に反比例することから、JT-60U Lモード実験と同様な、弱ジャイロボーム型の輸送特性を示すことが明らかとなった。
滝塚 知典; 福田 武司; 鎌田 裕; 菊池 満; 松田 俊明; 三浦 幸俊; 内藤 磨; 玉井 広史; D.Boucher*; G.Bracco*; et al.
Fusion Energy 1996, 2, p.795 - 806, 1997/00
ITERにおけるLH遷移の閾値パワーと閉じ込め性能を予測するために、データベースの集積と、そのデータ解析を進めている。閾値パワー比例則P~BnRを求め、ITERでの予測値が1002MWとなった。Lモード閉じ込めデータベースの解析から熱エネルギー閉じ込め時間比例則を得た。拡張されたITER Hモード閉じ込めデータベースの解析により、ITERにおけるELMy Hモードでの閉じ込め時間は6(10.3)秒と予測した。規格化ラーマ半径の減少に対して系統的なの劣化はないことが分かった。次元的に正しい形のオフセット線形則も、ITERに対し同様のの値を与える。
白井 浩; 滝塚 知典; 小出 芳彦; 鎌田 裕; 石田 真一; 森 雅博; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 福田 武司; et al.
Plasma Physics and Controlled Fusion, 38(8), p.1455 - 1460, 1996/08
被引用回数:5 パーセンタイル:20.7(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの中心イオン温度が20keVを越える中心閉じ込め改善モードプラズマにおいてLモードとHモードの間を遷移する際の閉じ込め改善度の時間変化を解析した。電子温度とイオン温度が増加の過程にあり、閉じ込め改善度が近い時に起こる最初のL-H遷移では、閉じ込め改善度は瞬時に増加するが、Hモード遷移後も閉じ込め改善度はエネルギー閉じ込め時間のゆっくりした時間スケールで引き続き増加するといった、2段階の異なった時間スケールで変化することを明らかにした。一方追加熱後十分時間が経過し(1秒以上)閉じ込め改善度がほぼ頭打ちになった時に生じるH-L遷移及びそれに続いて発生するL-H遷移では、最大閉じ込め改善度と最小閉じ込め改善度の間を、よりも短い時間スケールで増減することを明らかにした。
白井 浩; 滝塚 知典; 佐藤 正泰; 小出 芳彦; 平山 俊雄
Europhysics Conference Abstracts, 20C(Part1), p.339 - 342, 1996/00
JT-60Uの中心閉じ込め改善モードプラズマ(ICCプラズマ)における電子とイオンの熱輸送特性を、H-L遷移の直前及び直後で比較した。電子及びイオンの熱拡散係数のH-L遷移における相対変化e/e、i/iはプラズマ電流に依存しないことが判明した。また、蓄積エネルギーの熱化成分の経験則を用いたエネルギー閉じ込め改善指標(THファクター)のH-L遷移における相対変化との関係を研究した結果、e/eは比較的低いTH/THの値で飽和するのに対して、i/iはTH/THと共に増加すること明らかにした。このことにより、Hモードプラズマにおけるエネルギー閉じ込め性能の向上において、イオンの熱輸送軽減が重要であることを明らかにした。
朝倉 伸幸; 細金 延幸; 辻-飯尾 俊二*; 伊丹 潔; 清水 勝宏; 嶋田 道也
Nuclear Fusion, 36(6), p.795 - 813, 1996/00
被引用回数:41 パーセンタイル:76.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60UのLモード高密度放電における放射冷却ダイバータで、トロイダル磁場反転がもたらすダイバータ・プラズマ(イオン電流、電子温度、イオン化領域、放射損失分布)への影響を解明した。トロイダル磁場の方向はスクレイプオフ層での熱・粒子の輸送に大きく影響を及ぼし、内外ダイバータでの非対称性を決定する。ダイバータ部でMARFEが発生しない領域での運転に限っては、ダイバータ部での放射損失は同程度であり、ダイバータ板上で内外対称な熱流束分布を得る磁場反転運転が有利である。これに対しMARFE中は、エネルギー閉じこめの劣化や不純物の主プラズマへの混入は同程度であるが、順方向運転の場合だけ放射損失ピータがセパラトリクス・ヌル点付近に維持でき、ダイバータプラズマが完全なデタッチメントに至らないため、ダイバータ部で粒子排気を行うためには有利である。
白井 浩; 滝塚 知典; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 小出 芳彦; 平山 俊雄; 安積 正史
Journal of the Physical Society of Japan, 64(11), p.4209 - 4220, 1995/11
被引用回数:39 パーセンタイル:81.8(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uの中性粒子入射加熱Lモードプラズマにおいて局所無次元輸送解析を行い、r=2a/3における一流体熱拡散係数が弱いジャイロボーム拡散に従うことを明らかにした。またr=2a/3における電子及びイオンの熱拡散係数、も弱いジャイロボーム拡散に従うことを確認した。a/3r2a/3の領域ではは弱いジャイロボーム拡散とボーム拡散の中間に位置した。はほぼ弱いジャイロビーム拡散に従い、はボーム拡散寄りになった。即ちプラズマの輸送特性を議論する上で重要なこの領域において、電子系とイオン系で輸送特性(依存性)が若干異なることが判明した。この特性は安全係数の異なるプラズマでも全く同様に得られた。JT-60Uで得られた解析結果はDIII-Dが主張している電子系とイオン系の輸送特性の決定的な違い(電子系はジャイロボーム拡散、イオン系はゴールドストン拡散とボーム拡散の間)とは異なるものである。
竹永 秀信; 清水 勝宏; 朝倉 伸幸; 辻・飯尾 俊二*; 嶋田 道也; 菊池 満; 内野 喜一郎*; 村岡 克紀*
JAERI-Research 95-051, 38 Pages, 1995/07
JT-60U装置における粒子閉じ込め特性を明らかにするため、水素原子挙動解析を行い粒子閉じ込め時間を定量的に評価した。まず、モンテカルロ中性粒子輸送解析コードDEGASを、周辺プラズマパラメータを求める簡易ダイバータコードと組み合わせ、JT-60U実験条件のもとで計算できるように整備した。次に、このコードの計算結果と放射光測定結果との比較から、水素原子の主プラズマへの侵入過程を明らかにし、主プラズマでのリサイクリングによる荷電粒子生成数を評価した。さらに、粒子バランスを定量的に解析し、粒子閉じ込め時間を求めた。この解析を、JT-60U装置のLモード、Hモードプラズマにおいて系統的に行い、粒子閉じ込め時間のデータベースを得た。
Neudatchin, S. V.*; 白井 浩; 滝塚 知典; 伊世井 宣明; 鎌田 裕; 小出 芳彦; Muir, D. G.*; 佐藤 正泰; 安積 正史
Europhysics Conference Abstracts, 19C(Part3), p.029 - 032, 1995/00
JT-60Uプラズマにおいて、LモードとHモードとの間を遷移する際の電子及びイオンの熱拡散係数の変化e及びiの空間分布を、電子温度Teとイオン温度Tiの時間変化から解析いた。トロイダル磁場Btが4Tの高イオン温度Hモードプラズマにおいて、プラズマ中心付近のイオン温度が十分高くなった(20keV)際のL-HまたはL-H遷移において、エネルギー閉じ込め時間の1/20~1/40程度の短時間で0.2r/a0.9の領域にわたりほぼ同時にTeとTiの増加または減少が始まり、は瞬時に変化する。これは、L-HまたはH-L遷移による閉じ込め特性の変化がの時間スケールで起こるという従来の物理的描像を刷新するものである。L-HまたはH-L遷移時のeは0.75m/s程度であり、プラズマ小半径方向に増加する。Bt=4Tではi~eであり、iはBtの減少時に増加する傾向が見られた。
白井 浩; 滝塚 知典; 菊池 満; 森 雅博; 西谷 健夫; 石田 真一; 鎌田 裕; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; 小出 芳彦; et al.
IAEA-CN-60/A2-17, 0, p.355 - 364, 1995/00
JT-60のジュール加熱及び中性粒子入射(NBI)加熱プラズマのデータを用い、無次元変数の関数形で蓄積エネルギーの熱化成分の比例則を確立した。その結果熱輸送比例則はボーム則とジャイロボーム則の中間になった。局所熱輸送解析の結果から、Lモードプラズマにおけるイオンの熱拡散係数はプラズマ電流、吸収パワーに強く依存し、電子の熱拡散係数はこれらにはほとんど依存しなかった。高モードプラズマにおけるエネルギー閉じ込め時間の改善はイオン熱拡散係数の軽減によるもので、電子の熱拡散係数はLモードプラズマと同程度だった。高モードプラズマにおいてNBI加熱中での蓄積エネルギーの熱化成分の改善(Lモードプラズマの蓄積エネルギー比例則との比較)は、最初はプラズマ中心部で、次にプラズマ周辺部で起こる。
竹永 秀信*; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 辻 俊二; 嶋田 道也; 菊池 満; 内野 喜一郎*; 村岡 克紀*
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.429 - 432, 1995/00
被引用回数:20 パーセンタイル:85.38(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいて、中性粒子輸送解析コードDEGASを用いて行った中性粒子挙動解析と、その結果を用いて行った粒子閉じ込め解析について発表する。JT-60Uでは、壁からのリサイクリングによる中性粒子は、その多くがメインプラズマに達するまでに電離してしまうために、粒子閉じ込め解析を行うには、メインプラズマへの中性粒子の侵入過程を定量的に評価する必要がある。DEGASコードで評価した真空容器内全体で電離する中性粒子の内、メインプラズマ内で電離する割合は、Lモードで4-8%、Hモードで30%程度である。両者の違いは、ダイバータ部の密度の違いに起因している。この結果を用いて評価した粒子閉じ込め時間は、Lモードでは密度の上昇と供に小さくなり、Hモードでは大きくなる傾向を示した。さらに粒子閉じ込めとエネルギー閉じ込めの関係について議論する。
逆井 章; 久保 博孝; 細金 延幸; 小出 芳彦; 東島 智*; 杉江 達夫; 清水 勝宏; 嶋田 道也; 辻 俊二
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.405 - 409, 1995/00
被引用回数:12 パーセンタイル:74.06(Materials Science, Multidisciplinary)ITER等の将来のトカマク型核融合炉では、D-T反応で生じるヘリウム灰の制御及び連続的な排出が重要課題となる。ITERでは、閉じ込め改善領域で設計が進められており、ELMのあるHモードはヘリウム灰の効果的な排出が期待でき、自己点火達成と長時間燃焼の観点から注目されている。そこで、JT-60Uにおいて閉じ込め改善度1.5-2.0のELMのあるHモードでヘリウムの輸送、振舞を調べた。ヘリウムビーム入射による中心補給及びヘリウムガスパフによる周辺補給の2通りの方法で、ELMのあるHモードとLモードの比較を行った。空間8chの荷電交換再結合分光法(CXRS)によりヘリウム密度の空間分布とその時間変化を実測し、ヘリウムの輸送係数を決定した。更に、ダイバータ部の分光計測からヘリウム粒子束と重水素粒子束を測定し、Hモード及びLモードにおけるこれらの粒子束とプラズマ中心のヘリウム濃度との関係を解明した。
白井 浩; 平山 俊雄; 小出 芳彦; 吉田 英俊; 内藤 磨; 佐藤 正泰; 福田 武司; 杉江 達夫; 安積 正史; D.R.Mikkelsen*; et al.
Nuclear Fusion, 34(5), p.703 - 727, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:31.19(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60及びTFTRでは、中性粒子入射(NBz)加熱時に荷電交換再結合分光(CXRS)によりイオン温度分布が測定されている。このイオン温度分布の実験値と、イオン温度勾配不安定性(モード)及びドリフト波不安定性(捕捉電子モード等)に基づくイオン熱拡散係数のモデルを用いて計算で得られた分布を比較した。JT-60のLモードプラズマでは広範囲なプラズマパラメータ領域において実験値と計算値は良い一致を示した。TFTRのLモードプラズマでは、プラズマの周辺領域において計算値は実験値よりも高くなった。プラズマの中心イオン温度が10keVを超える高イオン温度モードプラズマでは、イオン温度の分布は実験のそれに比べると平坦で、かつ中心イオン温度もかなり低いものになった。高イオン温度モードプラズマでは、これらの不安定性の安定化機構や他の輸送機構(熱ピンチ等)を考慮する必要がある。
矢木 雅敏; 安積 正史
Proceedings of U.S.-Japan Workshop on Ion Temperature Gradient-Driven Turbulent Transport; AIP Conference Proceedings 284, p.87 - 115, 1994/00
イオン温度勾配モード(モード)の有効性を流体方程式に基づいた非線形シミュレーションとJT-60の実験結果を比較することにより調べた。トロイダルモードはプラズマの中間領域においては熱拡散係数の値としては実験から得られた値とほぼ同程度であるが、一方でトロイダル及びスラブモードの両方ともプラズマ周辺領域では、強く減少する拡散係数を与える。また周辺領域において熱拡散係数を増加させる可能性として、捕捉電子効果と新古典効果を考え、これらの効果を取り入れたモデルを用いて、テストした。捕捉電子に対しては、これはモードのおこるしきい値を上げるが、周辺領域において熱拡散係数を増加させるには不十分であることがわかった。また新古典効果に対しては、よりつじつまのあった解析を行うことにより、モードに対しては、ほとんど影響を与えないことがわかった。
JT-60チーム
JAERI-M 93-057, 379 Pages, 1993/03
JT-60Uは、平成4年1月から10月の実験期間において、世界最高のイオン温度38keV、中性子発生量2.810個/秒、核融合積4.410m・秒・keVを実現した。本報告はこの間の実験に関する統合報告であり、以下の項目(1)HモードとLモード特性、(2)高ポロイダルベータ放電の閉じ込め性能(3)プラズマ中の輸送研究(4)不純物とダイバータ特性(5)電流駆動の研究(6)高速イオンの研究(7)ディスラプションとプラズマ制御(8)電磁流体特性(9)計測装置の進展(10)加熱及び電流駆動機器の進展状況について述べたものである。
白井 浩; 滝塚 知典; 安積 正史
Local Transport Studies in Fusion Plasmas,ISPP-14, 0, p.33 - 38, 1993/00
JT-60Uでは高パワー中性粒子入射加熱(NBI加熱)時に、中心イオン温度が40keVに達する高イオン温度プラズマが得られている。このプラズマの電子及びイオン熱拡散係数Xe,Xiを計算するため、蓄積エネルギーの時間変化項を含む電子及びイオンのエネルギーバランスの式を解いた。Lモードプラズマの場合(XiXe)と異なり、Xiはほぼ全領域においてXeより小さくなり、特にプラズマ中心領域においては、Xiの値は新古典拡散程度まで軽減された。JT-60プラズマの電子及びイオン温度は臨界温度勾配モデル(RLWモデル)のXe,Xiを用いて計算され実験値と比較された。JT-60のプラズマパラメーターでは、低パワーNBI加熱プラズマでは計算した温度分布は実験結果とまずまずの一致を示すが、高パワーNBI加熱プラズマではイオン温度の計算値は実験値よりも高く、また電子温度の計算値は実験値よりも低くなった。
木村 晴行; 藤井 常幸; 三枝 幹雄; 森山 伸一; 濱松 清隆; 根本 正博; 飛田 健次
Plasma Physics and Controlled Fusion, 35, p.845 - 871, 1993/00
被引用回数:21 パーセンタイル:58.89(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60ICRF加熱実験結果のレビューを行う。JT-60ICRF実験の特徴は位相制御型22ループアレイによる高調波共鳴加熱である。アンテナの位相制御が加熱効率のみならず入射特性の最適化にも重要な役割を果たすことを確認した。逆相モードの第2高調波少数イオン加熱により電子温度、プラズマ電流の広い運転領域にわたって最も良い加熱結果が得られた。Lモード則に対する閉じ込め改善度はオーム加熱ターゲットプラズマに対して1.3である。NBI加熱ターゲットプラズマに対して第3高調波加熱による顕著なビーム加速と中心電子加熱が観測された。この場合の閉じ込め改善度も1.2~1.3である。鋸歯状振動の安定化が第2及び第3高調波加熱の両者で観測された。安定化が高電子密度、低q領域で得られたことは高調波共鳴加熱の特徴である。安定化の条件を理論との比較に於いて議論する。
嶋田 道也
Fusion Engineering and Design, 15, p.325 - 341, 1992/00
被引用回数:17 パーセンタイル:81.26(Nuclear Science & Technology)不純物輸送の研究の現状をまとめた。(1)ジュール加熱及びNBI,RF加熱のLモードにおいては異常輸送が支配的であり、不純物の中心への集中は起こらない。輸送係数Dは0.5-2.0の間の値をとり、パラメータ依存性、輸送機構は未解明である。(2)ペレット入射、逆方向NB入射、高q放電などで鉅歯状振動が抑制されると、不純物が中心に集中する。(3)Hモードでは異常輸送が抑制され、不純物が中心に集中することがある。これは重要な課題である。ELMやエルゴード磁場によって不純物を低減できるという結果(JFT-2MとDIII-D)はこの点注目に値する。(4)今後は不純物輸送の系統的なパラメータ依存性、Hモード中の集中の緩和とともに、ダイバータ及びSOL層での不純物輸送と制御が重要な課題である。
滝塚 知典
Proc. of the 1992 Int. Conf. on Plasma Physics,Vol. 16C,Part 1, p.I51 - I54, 1992/00
トカマクのLモードプラズマの熱エネルギー閉じ込めについて、JT-60実験データを用いて詳しく調べた。統計的解析の結果、熱エネルギー閉じ込め時間の電流I磁場B,密度、加熱パワーPに対する依存性は、(IB)/Pとなることが分かった。この結果から、平均的な熱拡散係数は、ほぼx(nT/B)(T/aB)という形をしていると考えられる。